生ハムと焼うどんという恐るべき子供たち(アイドル)

若い、という言葉は否定の意味でも肯定の意味でも使われる。

若い状態はエネルギーに満ち溢れているが、未熟ゆえの危うさがあるからだろう。

「今時の若いもんはー」という言葉は古くから若い世代を揶揄し続けてきたという話もあるが、

それは自身から失われた若さを渇望しているから出てくる言葉でもある。

多くの人が若い時代に失敗したことを嘆くが、その若さを上手いこと使いこなせば

こういう形に仕上げることもできるということを見せてくれるのが、

アイドルの生ハムと焼うどんだ。

 動画を見てみる

なにこれ？10代の暴動？

予備知識もなくとりあえずニコラジの動画で、彼女たちのコントのようなものを

目の当たりにしたため正直初見にはちょっと難解で面食らったけど、

上のatari teenage riotの曲のようなパワーは伝わってきた。

冷静に見てみれば彼女たちの発声はただの素人のものではないし、

やまだひさしも言っているようにコントを披露する上でかなり練習を積んでいることはわかる。

曲もポップで耳馴染みがいい。

さらに驚くべきはそのコントのようなものから曲、衣装やブッキングに至るまで彼女たちのセルフ・プロデュースで行っていることだ。

メジャーに所属せず自身でレーベルを立ち上げたUSハードコアの雄、イアン・マッケイも生ハムと焼うどんを知ればそのDIY精神にきっと賛辞を贈ることだろう。

プロフィール

「生ハムと焼うどん」は同じ高校の同級生同士である西井と東によって結成された、現役女子高生(JK)ユニット。

ユニット名の由来はお互いの好きな食べ物から、
西井の好きな”生ハム”と東が好きな”焼うどん”を合わせて”生ハムと焼うどん”と名付けられた。

所謂普通のMCはおこなわず、ライブごとに毎回異なる寸劇を用いたライブパーフォーマンスが特徴。
出典：http://namaudon.tokyo/profile/

 二人の名前が運命的なものを感じさせるよね。

西井さんがcoochという劇団に所属しており、東さんはピヨピヨレボリューションという劇団に。

やけにステージ慣れしていたり、ただの女子高生感がないのはその為だろう。すでにプロなわけだ。

元々別々のアイドルユニットをやっていたりした二人が学校のイベントでユニットを組み、

本格的にライブ活動を始めたのは2015年3月だが、10月25のファーストワンマンライブでは300人を動員している。

驚異的なスピードでその勢力を拡大しつつあり、2016年3月2日には目標動員1000人を目指してセカンドワンマンを控えているという、恐るべき子供たちだ。

あとタワレコの嶺脇社長に「古墳」というあだ名をつけた。

曲やら何やらについて

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曲は東さんが主にボイスメモに録音したものをアレンジャーに送って作っているらしい。

一番上に貼った動画の28:20～から始まる「たまごかけごはん」はとてもキャッチーでかわいらしい曲で素晴らしい。

冒頭の「まわってまわって～～オイッオ～イ」やサビの部分とかさりげなくシンコペーションが入っている。

曲の構成も考えられていて面白い。

東さんがハスキーボイスなので二人の声の違いもアクセントになっている。

この曲の前や合間に例のコントのようなものがはさまれる。

変顔、といいつつ可愛いだけの顔をすることがアイドル界では許容されているが、

生ハムと焼うどんは顔も含め表現に振り切っているから好感が持てる。

つまらないＭＣで曲間を濁すバンドマンも見習うべきだろう。

あと彼女たちのライブでは社会で迫害されがちなハゲもハゲいじりという名の

内国民待遇を受けられるらしい。

終わりに

二人のブログを読むとまた違う一面があった。ただのええ子たちなんやなとも思った。

若年起業家的な側面があるせいかすでに産経新聞が彼女たちのことを記事にしているし、

遠くないうちにテレビなどのメディアでも取り上げられるに違いない。

うまくハマれば読者モデル兼謎の未確認生物”りゅうちぇる”のように跳ねるだろう。